七河迦南「七つの海を照らす星」

  • 第一話 今は亡き星の光も
  • 第二話 滅びの指輪
  • 第三話 血文字の短冊
  • 第四話 夏期転住
  • 第五話 裏庭
  • 第六話 暗闇の天使
  • 第七話 七つの海を照らす星

表紙が目について鮎川哲也賞受賞作ということもあり読んでみました。
日常のミステリということですが舞台が児童養護施設なので謎に終始しないところに好感が持てました。
最後に物語のところどころに散りばめられた謎を関連付けていますが若干のやり過ぎ感が否めません。
山田正紀の評していた「息の長い文章」はあまり好かんと感じています。
第一話・第二話・第五話を比較的面白く感じました。
特に第二話ラストは春菜と同様にぞくりときました。
第四話に回文が出てきたところで物語の外側にあるローマ字回文の存在に気付いたのですが、それをさらに物語の中に持っていく発想がなかったのは悔しいですね。
次の作品を書いてくれることを期待しています。