大崎梢「配達あかずきん」

書店員が遭遇するミステリ。
後味が良く、心安らぐ作品たちが納められています。
収録作品の「標野にて 君が袖振る」で、額田王がうたった「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」という和歌が出てくる。
今日は梨木香歩「丹生都比売」も読んだけれど、その主人公の草壁皇子額田王の義理の息子(?)になる。
こういう偶然は、なんとなく心踊るものがある。
当の作品も読後感が良く、北村薫加納朋子に続くお気に入りの人になりそう。
大崎梢は読書リストの上位に入れておこう。
今ようやく思い至ったのだけれど、先ほどの標野というのは、彼岸のことなんだろうな。